DUCATI 900SS ベベル
KSPエンジンの組立
今回シリンダーとヘッドの作業は井上ボーリング御中にお願いした。
何故なら

ICBMシリンダーにしたかったからである。

減らないシリンダーICBM( Inoue boring Cylinder Bore finishing Method )
製作したアルミスリーブ内径にメッキをしたシリンダー

詳しくは井上ボーリングさんのHPをご覧ください。
30万キロ乗るというKさんにはベストチョイスのはずだ。
ニカジルメッキシリンダーの採用されたベベルは10万キロ走っても
シリンダーは問題ないと会長がおっしゃっていた。
会長のベベルは10万キロを優に超える。
メッキシリンダーではないベベルは5万キロで
スリーブ内面の段差が手、いや目ではっきり分かるくらい減っている。
恐るべしメッキシリンダー
そのシリンダーを

塗って

研ぐ。
このシリンダーの中で動くピストンは

TRESTLES 御中の 87mm 鍛造ピストン


組立まで待機。
そしてシリンダーヘッド

研磨したバルブはWPC + MOS2
組み付け前にすり合わせ

キレイに1本当たり面が現れます。恐るべし井上ボーリング。あたりまえだ。か。
今回使用するカムはKさんからお預かりしたイモラカム

当たることは無いと思うが
かなり接近するヘッドの内壁は一部削っておいた。
ヘッドのベアリングも全て交換。
このヘッドを構成する部品のセットアップにも多数シムを使う。
ベベルギヤの当たりもシムで調整する。


カム側とクランクケース側でもこのベベルギヤの当たり調整は必要なのである
クランクケース側はベベルギヤのホルダーブロックごと上下させて
クリアランスを調整できるようになっている。
これはリングプレートシムと併用するため
何とも気の遠くなるような調整作業の連続であるが
奥が深くて萌える作業だ。
同じくマニュアルには 『 いいように組め 』 としか記述がないので
自身を信じて調整するしか道はない。
ヘッド側カムの適正位置出しとベベルギヤの調整確認ができたら
各ロッカーアームの位置を適切な位置にセット
シムシムシムシムシム!

各バルブにOPENとCLOSE 各2本がセットされるので1つのヘッドで4本

前後シリンダーで合計8本のロッカーアームの位置が決まれば

OPEN、CLOSEのシム調整
バルブクリアランスである。

これはCLOSEのスプリング
左が新品。
ヘッドの作業に関してバルブシムの入手というのが今までネックであり
こつこつ集めたシムが

これ。
上2段がOPENで下がCLOSE
このくらいの数では何もできない。
一回一回注文していては作業が途切れてしまい効率が非常に悪い
しかし一気に揃えるなんて到底無理な話。
だが今回はこの効率の悪さを打開するべく
測定してチョイスしたシムの上下数個を海外へ注文した。
要はこれの繰り返しだ
日本のベベルの匠は皆こうやってシムを集めたと思う。
だから1個とかの販売なんて、まっぴらごめんなのは当然の話だ。
その1個を取り寄せるのに英語でやり取りするだろうし
送料も結構かかる。
こらからは自分で探して買うことに決めた。
先ずはOPENが届いた

これでKさん号のOPENは調整しながら組むことができる。
しかしOPENシムだけでこのケースが満タンになるまで集め続けなければ
今後、効率のいい作業はできない。
宝くじが当たったらシムを買おう。
来年の目標の一つはベベルのシムを充実させることに決めました。
注文したCLOSEが届き次第、ヘッドを組立ます。
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